上の表は、2002年の各国の食料自給率表です。ご覧いただければ一目瞭然ですが、他の先進諸国に比べ、日本の自給率がかなり低いことが分かります。
特に米国と比較した場合、米国が120%近い自給率があるのに対し、日本は40%しか自給率がありません。これは、他国に依存しないと国民の食糧が確保できないという、日本にとって死活問題となる状況だと言えます。
さらに穀物の自給率を見ていただきます。
同じく2002年のデータですが、人口1億人以上を抱える国としては、一国だけ異常に低い自給率となっています。米国と比較した場合、米国では約120%の自給率があるのに対し、日本はわずか28%の自給率しかありません。
このような状況の中で、もし今の日本で他国からの輸入が止まるような事態が発生したとしたら、果たして私たちはどのような食事が出来るのでしょうか。これも農水省が丁寧にデータを出してくれています。国民が生きていく最低限のカロリーをとるとすれば下の図のような食事になるようです。
例えば、戦争というようなことでなくても、財政悪化の影響などで為替が大きく円安に振れてしまった場合、輸入品の値段が急騰し、店頭から食料がなくなり、このような食事になるという事態も想定されます。
食料自給率が低いということは、日本が、財政・経済面、政治・外交面などで問題が噴出した場合、国民の生存に直結する大きな弱点を抱えているということになるのです。
それにしては、憲法改正などで軍事面を強調したような声は大きく上がりますが、農業を改善し、食料自給率をアップするような地道なことは、なかなか大きく取り上げられることはありませんね。
(参考) 昭和20年代などの供給熱量(kcal/人・日)
昭和23年 |
24年 |
25年 |
26年 |
27年 |
28年 |
29年 |
30年 |
1,852 |
1,927 |
1,945 |
1,858 |
1,995 |
1,933 |
1,951 |
2,217 |
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最後に各国の金保有量を見てみます。
以下の表は、公的機関の金保有量トップ10の比較です。
金は数千年におよぶ歴史において、無価値になったことはありません。
特に欧州各国の金保有比率が高いのは、過去に何度も戦乱にみまわれ、通貨が紙切れになるという経験をしてきた事情から、金は通貨の価値の根源であり、究極の資産であるという認識が浸透しているからのようです。
しかし、その欧州以上に米国の保有高は際立っています。
次のグラフは、金保有量の多い国の外貨準備資産に占める金準備比率を表しています。
このグラフでも総じて欧州諸国の金準備比率は高いのですが、やはり米国が60%を超え、圧倒しています。
それに比べ日本は、僅か1.2%程度に留まっています。
金が通貨の裏付となるかどうかはともかく、日本円と米ドルを比較しても米ドルの方が、少なくとも安全性が高いということは言えるのではないでしょうか。 |