米国の状況が悪いという根拠になるものに財政赤字、経常赤字といった米国の赤字の問題があります。ここで私たちにとって考えなければならないポイントは、
の2つであると考えられます。
まず、1.の問題を日本と米国、その他先進国を比較しながら見ていきたいと思います。
確かにこのところ米国の財政は悪化しています。戦争を立て続けにしているのですから当然と言えば当然です。では、日本の財政と、数字で比較してみるとどうなるでしょうか。 上のグラフをご覧下さい。 これは、日本と米国の財政の安全度を比較したグラフ(2003年現在)ですが、国債の残高は、 米国 674兆円(1ドル110円で計算) 日本 571兆円 で米国の方が多いのですが、 GDP は、 米国 1191兆円 日本 498兆円 で米国が日本の2倍以上あります。 また、日本は国債や地方債の大量発行はあるが、個人資産が1400兆円あるから問題ないという議論がありますが、個人資産残高を比較すれば、 米国 3564兆円 日本 1461兆円 と米国人は、日本人の2.4倍くらいの個人資産を保有しています。 このように見ますと国債残高は少し米国の方が多いのですが、 GDP や個人資産残高を比較すると米国が日本の2倍以上あり、安全度では圧倒的に米国に軍配が上がります。
●日本の現状
●米国の戦略
●その時日本は
それでは日本の状況は、この時どのようになるのでしょうか。 まず、前述のように日本の輸出産業は、対米輸出が壊滅的な打撃を受けます。これは、欧州でも同じです。こうなると国内景気は完全に停滞し、株式市場も大暴落することになります。 さらに日銀が、為替介入などで買いこんできたドル資産が、ドルの下落により、膨大な含み損を抱えることになります。また、日銀だけでなく都銀を始めとする大手金融機関も、こちらは膨大な株式含み損を抱え破たんすることになります。 こうなると日本国内で大量発行する予定の国債も買い手がつかない状態(大暴落)となり、金利が急騰します。国債大暴落となれば、中小金融機関も破たんが続出します。 金利急騰により、借入金の多い企業の破たんも急増します。外資による金融機関や企業の買収も多発します。 金利急騰は、強烈なインフレも招きます。 さらに日本の財政は、金利急騰による国債費の急増という事態を招き、通常の増税だけでは追いつかない歳入不足の事態となり、財産税の導入も予想されます。このとき一時的に預金封鎖等により金融機関の取引は停止されると考えられます。
一方、米国も一時的には株式・債券の暴落や経済の縮小という事態に見舞われますが、必要な国だけと最低限の保護主義的な貿易をすることにより、貿易赤字は減り、経済の健全性は復活することになります。軍事費の見直しなども課題に上がり、日本は膨大な軍事費の負担も求められることになります。